2月14日(水)、板橋区立グリーンホールにて開催された「板橋区産学官連携交流会」(共催:公益財団法人板橋区産業振興公社・板橋区)において、弊社代表の多田が「不整地走行を念頭に置いた、搬送用自律移動ロボットの開発」をテーマに講演を行いました。
今回の記事では、同交流会における多田の講演の様子を中心にお届けします。
【開催概要】
■日時:2024年2月14日(水)14:30開始
■会場:板橋区立グリーンホール 601会議室(板橋区栄町36-1)
■共催:公益財団法人板橋区産業振興公社・板橋区
《詳細情報》
「板橋区産学官連携交流会」とは
「板橋区産学官連携交流会」は、産学連携の促進のために公益財団法人板橋区産業振興公社と板橋区の共催により初開催された交流会です。大学関係者らからの最新の知見の紹介とともに、ものづくり企業のさらなる飛躍を目指して参加企業同士の交流を図ることを目的としています。
本交流会は、第一部・第二部に弊社多田および東京大学工学系研究科教授の柳本潤氏が登壇し、それぞれ「不整地走行を念頭に置いた、搬送用自律移動ロボットの開発(株式会社Piezo Sonic×中央大学理工学部 國井研究室)」、「金属薄板温間プレス加工に関わる課題」というタイトルで講演を行いました。
多田の講演『不整地走行を念頭に置いた、搬送用自律移動ロボットの開発』について
多田は第二部に登壇し、「不整地走行を念頭に置いた、搬送用自律移動ロボットの開発(株式会社Piezo Sonic×中央大学理工学部 國井研究室)」というタイトルで、弊社が開発する高トルク超音波モータ:ピエゾソニックモータの紹介と、これを応用した製品の開発と大学研究室との連携による「開発事業プロジェクト」としての搬送用自律移動ロボット:Mightyの誕生に至るまでの経緯を解説しました。
高トルク超音波モータ:ピエゾソニックモータは、磁石やコイルを利用せず、圧電セラミックを振動させ、そのエネルギーを駆動力としている回転型超音波モータです。
小型でありながら、同サイズのDCモータと比べて約5倍〜10倍の高トルクを発揮します。非通電、非制御で姿勢・状態を保持することができ、バックラッシュがないために高精度な位置制御が可能です。
装置全体の重量、消費電力低下に貢献できるのみならず、通常の電磁モータでは実現が困難な「磁場環境(MRIや半導体製造装置内)」においても唯一正常に動作する革新的モータです。
本モータは、JAXAが求める次世代モータの開発プロジェクト(RFP9)にも採択されており、今後はさらに大きな力の出力が可能な製品の発表が期待されています。
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また、これを応用して開発された搬送用自律移動ロボット:Mightyについては、大学研究室など外部機関と連携して開発・設計を行う際に課題となるプロジェクト管理と開発環境の違いという点について、開発プラットフォームを統一することにより異なるCADを用いる場合でもスムーズにプロジェクトの進行が可能になったというエピソードを実例を示しながら語りました。
搬送自律移動ロボット:Mightyは、日本の月面探査ロボットの機構を応用した特殊なサスペンション機構と、待機電力ゼロで姿勢を保持できる「ピエゾソニックモータ」をステアリングに搭載し、世界最高の不整地走行性能を備えた搬送用自律移動ロボットです。
電動車椅子よりも小型サイズでありながら 30Kgの荷物の搬送が可能であり、15センチメートルの段差の乗り越えや真横への移動、その場での旋回も行うことができます。
室内外を問わず、路面の凹凸を気にすることなく機材・材料の自動搬送を実現し、マーカーを利用した追従走行も可能です。また遠隔地にいるオペレータによる操作にも対応しています。
工場や倉庫のみならず、複合施設、高層マンションや病院での非接触搬送にも最適なロボットです。
2021年より販売を開始したMighty-D3は国内外でそのデザインと走行性能を高く評価され、2022年にはラスベガスで毎年開催される国際展示会であるCES2022において「Innovation Awards」を受賞、国内で開催されたCEATEC 2022でスタートアップ部門「グランプリ」、令和4年度 東京都ベンチャー技術大賞で「特別賞」を受賞しています。
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講演では、各開発段階におけるMightyの走行性能実験の様子を映像を交えながら紹介し、さまざまな状況下においても安定した走行が可能な姿を示すとともに、人と一緒に行動できる・ロボットの向こう側に操作している人がいるという本機の特長から、弊社が日本における労働人口減という社会課題に焦点を当て、モーターとロボティクス技術を用いて『ケガや病気になっても楽しめる生活ができる社会』の実現を目指していくという姿勢を改めて強調しました。
今後あらゆる場面で人口減の影響が深刻化し、暮らしの中で人手を要するサポートにおいてもその枯渇が危ぶまれている現代社会において、弊社は搬送自律移動ロボット:Mightyにより、暮らしの中での「重い荷物を運ぶ」という力仕事を代替する未来を描いています。
さらに、今後は荷物の搬送のみならず、見守りや巡回、案内やイベント紹介といった多岐にわたる機能の搭載も見据えています。
多田は、不整地移動ロボット:Mightyのゴールとして、自身が学生時代より興味を抱き続けてきた宇宙用探査機としての活用を目指していきたいと述べ、講演を締めくくりました。
講演を終えて
講演後の多田に感想を聞くと、「多くの方々にご関心を持っていただけて、会場内の雰囲気が良く話しやすかった」と語っていました。また、弊社の講演を聞くために来てくださった方がいたことも非常にありがたく、嬉しく思ったとのことでした。
さらに、最近では質疑応答の時間は自分が自由に話していい時間と考えて、本編で語り切れなかったことを話すようにしているという講演のコツを打ち明けてくれました。
質疑応答の時間に演者が話していると質問が出やすくなるというテクニックが功を奏し、本講演においてもMightyの稼働可能時間や耐久性についてのご質問、AI実装についてのご質問、防水性に関するご質問を頂き、多田にとっても非常に充実した講演となったようです。
第二部終了後の交流会では、講演を聴いて弊社の事業に興味を持ってくださった方々が列をなして多田のもとを訪れ、談議に花を咲かせていました。
今後も多くの方々に、弊社や弊社製品に興味を持っていただけますと幸いです。
併せて、新しい製品開発に取り組む研究開発型エンジニアを募集しておりますので、ご興味を持っていただいた方はご連絡ください。
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