この度、株式会社Piezo Sonicが資本業務提携を結ぶ神田工業株式会社様の熊本事業所に「Robotics Field Kumamoto(ロボティクスフィールド熊本:以下RFK)」が開設され、2024年5月22日に同社事業所にてオープニングセレモニーを行いました。
RFKとは、平地や障害物があるような環境で実際にロボットを走らせることのできるテストコースです。
開設を記念したセレモニーでは、Piezo Sonicの純国産AMR:MightyD-3、D4による追従走行などの実証実験を行いました。
この記事では、オープニングセレモニーの様子にはじまり、神田工業様と二人三脚で歩んだRFK完成までの道のり、さらにはRFKを基点とした今後の展望まで余すところなくお届けします。
【目次】
不整地でのテスト走行を実現「Robotics Field Kumamoto(ロボティクスフィールド熊本:RFK)」
八代市鏡町の神田工業様の熊本事業所に開設した「Robotics Field Kumamoto(ロボティクスフィールド熊本:RFK)」は、平地や障害物があるような環境で実際にロボットを走らせることのできるテストコースです。
約4432㎡のコース敷地内には、舗装路はもちろん、月面をイメージした砂利道や火星をイメージした小岩道、激しい凹凸がある路面をイメージした鉄パイプが連なる道、10度以上の斜度がついた台形の丘など、不整地を想定したロボットの動作検証や耐久試験などを行うことができる環境が揃っています。
RFKコース概要図
RFKは弊社のAMR:Mightyシリーズをはじめとするロボットの走行や動作検証ができる場として、今後は企業様や地域の方々へ広くご活用いただくことを想定しているほか、熊本県南部・八代市がロボティクスに注力していくにあたり、PRの場としても機能していくことを見込んでいます。
神田工業様は、電⼦部品事業に進出し約40年間、大手電機メーカー・プラントメーカーのモノづくりパートナーとして、その時代を代表する多くの製品に携わり世界中の方々に貢献しています。
▼神田工業様のWebサイトはこちら
近年は、従来からの受託生産に加え、非接触で操作が可能な空中結像ディスプレイ、世界最薄のIoTデバイス、車載用フレキシブルLED製品などの革新的な製品の開発と販売、人材派遣および請負事業と新たな事業拡大のためにグループ企業への展開を図っています。
足場の悪い屋外の路面でも自動搬送を実現するAMR:Mighty-Dシリーズ
弊社のMighty-Dシリーズは、日本の月面探査ロボットの不整地走行性能技術を応用した、特殊なサスペンション機構(特許申請済)と「待機電力ゼロで姿勢を保持」できるピエゾソニック モータをステアリング機構に搭載した純国産AMRです。
走行性能として、Mighty-D4は12cmの段差乗越えやその場旋回、真横移動が可能です。そのため、屋外・屋内を問わず足場の悪い路面も含めたあらゆる場所で、路面状況を気にすることなく走行することができます。
2021年より販売を開始したMighty-Dシリーズは、人の生活環境に適応するサポートロボットを目指しています。 搭載カメラとセンサにより目的地までの自動走行に加え、人やマーカーを認識した追従走行ができ、市街地や病院、高層マンション等での非接触・非対面物流や遠隔応対を実現します。
現在、本格的な導入に向け、工場やプラント、屋外と屋内の移動を要する大規模施設などでの試験導入が進んでいます。Mighty-Dシリーズは搬送業務だけでなく、計測や案内、作業支援ロボットの移動ロボットプラットフォームとしても活躍できるよう、ハードウェア、ソフトウェアともに継続的に開発を進めています。
2023年末には神田工業様にてMightyシリーズの生産準備を開始し、本年には量産案件への対応が可能になります。お客様のご要望に応じたカスタマイズのご相談も承っています。
▼AMR:Migyty-Dシリーズについての詳しい情報はこちら
▼お問い合わせはこちら
熊本県・八代市関係者様も交え開設を祝したオープニングセレモニー
2024年5月22日、RFKの開設を記念し神田工業様の熊本事業所にて「オープニングセレモニー」が執り行われました。
セレモニーには、神田工業様の代表 髙島氏、弊社代表の多田ならびに株式会社ファクテムの代表 川越氏を含む両社関係者、さらには熊本県および八代市のご担当者様も多数のご列席をいただきました。
半導体製造企業JASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)の設立が記憶に新しい熊本県。特にJASMが位置する菊池市を含む県北に対し、神田工業様熊本事業所が拠点を構える八代市をはじめとする県南は、地域の魅力として「ロボティクス」に注力していく方針を打ち出しています。
髙島氏は冒頭の挨拶にて「RFKを起点に、県南のロボット活用を皆様とともに築いていきたい。私たちににはその発信力があると信じている」と訴えかけ、熊本県南部で総力を上げてロボット活用を推進していくにあたり、その拠点となるRFKの開設に期待を寄せました。
熊本県および八代市のご担当者様による来賓紹介・祝辞に続きテープカットを実施。乾杯は株式会社ファクテムの代表 川越氏にお願いさせて頂きました。
本セレモニーは髙島氏と多田が考え、それを神田工業のスタッフの方々のサポートにより実現できました。テープカットにおいても「せっかくであれば開設が画として印象深いものになるようにしよう」と意見がでて、それを神田工業のスタッフの方々のご尽力で準備していただくことができました。
セレモニー後、弊社としてはここからがメインイベントです。
同コース内でMighty-D3、D4を利用したデモンストレーションを行いました。
参列者に対し、最初は多田自らがMightyを操作しながらその特徴や動作について解説。
続いて、この日までに弊社エンジニアチームで準備を進めた追従走行のデモンストレーションです。Mighty-D3、D4の2台での追従走行では、人が操作する先頭のMightyに、後続のMightyが自動で追従する機能を紹介しました。
参加者様からは「親子みたい」と声が上がるほど、2台が乱れなく一定距離を保ったまま走行しました。
本技術は、大型バスなどの先頭車を人が運転し、後続車は自動で追従するというケースにも応用することが期待できると考えています。
Mighty-D3、D4による追従走行の様子
続いて人への追従では、Mightyの前を歩くスタッフの少し後を自動で追いかけます。
適切な距離を保ちながら走行できるのみならず、人が歩行を停止した際にはMightyも動きを停止し、すぐに次の動作時に動けるようスタンバイすることができます。
そのため、人の動きに規則性のない工場内での物の運搬を伴う人のサポート時でも、安全に活用することができます。
追従走行は地図を作成することなく、すぐに任意の場所で実施できることも大きなアドバンテージポイントになります。
参加者の方々は、スタッフの歩行とMightyの走行の様子を目で追いながら、「カーブや段差があってもしっかりついてくるのがすごい」と感想を寄せ、準備してきた通りの走行を披露することができた多田の表情には充実感がうかがえました。
弊社スタッフへの追従走行の後、実際に会場に来場されたお客様を追従するデモンストレーションも行いました。
追従走行については、下記動画で詳しくご紹介しています。
▼AMR:Migyty-Dシリーズについての詳しい情報はこちら
▼お問い合わせはこちら
神田工業謹製! RFK開設までの道のり
RFKは髙島氏が発案し、具体的なコースの内容は多田が考案し設計図を描き、施工は神田工業様が行うというように、神田工業様との二人三脚で進めたプロジェクトです。外部の業者様に依頼せずすべて自分たちの手で行い、文字通り汗を流して開設に至った神田工業謹製のコースです。
2023年夏頃にはRFK新設の話が持ち上がり、同年11月には基本的な構想が決定。以降、コース区画の整備や人工芝の施工、物品の手配や設置を行い、2024年4月末に完成を迎えました。※写真は2024年3月の様子
コースの名称を決めるにあたり、もともとは「KRF(KANDA Robotech Field)」や、「Mighty」の名称を含めたコース名の案も上がっていました。しかし、神田工業様・Piezo Sonicという枠組みやMightyという縛りにとらわれず、熊本県・八代市をはじめとする地域の方々に広く認知され、さらにはMightyを問わずロボットの不整地走行の実証テストができる環境として活用いただけたらという想いを込め、「Robotics Field Kumamoto(ロボティクスフィールド熊本)」としました。
開設に至った背景には、Mightyの導入をご検討いただく方々に、より具体的な活用イメージを持っていただきたいという想いがありました。
最先端の自律移動技術を搭載し、不整地の走行をはじめ、あらゆる環境での走行や機能に長けたMightyは、工場内の物流や搬送作業の効率化が期待されています。
しかし、不整地や段差、傾斜などMightyの走行性能を存分にご紹介するにあたり、各検証場が点在し、一度にまとめて検証できる場がないことに課題を感じるようになりました。
そこで、実際の稼働現場に近い環境を結集させた場をつくることで、ご覧いただくお客様がMightyの活用のより具体的なイメージを持っていただくことができ、性能評価や効果的な改良・調整につながると考えコースの新設に至りました。
今後Mightyに関心を寄せていただいたお客様は、RFKにお越しいただけることはもちろん、お客様のご要望に応じたテストを組むことも可能ですので、お気軽にご相談ください。
RFK新設に続き、神田工業様と描く展望
弊社は2022年の夏に神田工業様と資本業務提携を締結し、モーター事業、Mighty事業において二人三脚で歩みを進めてまいりました。
この度のRFK新設では神田工業様からPiezo Sonic、Mightyへの期待値が大きいことを実感すると同時に、多くの方々に評価されることのありがたいプレッシャーも感じました^^;
クリエイティヴィティーと開発技術に長けたPiezo Sonicと、高い品質を維持したうえでの量産技術に強みを持つ神田工業様。
今後も両社の強みを発揮しながら、お客様に価値あるソリューションを提供してまいります。
そして、RFKが「ロボティクス」に注力する熊本県南部の新たな拠点として広く認知され、革新的な技術が生まれる基点となっていくことを目指し今後も尽力いたします。
この度、RFKオープニングセレモニーにご出席いただきました皆様、そして平素よりご尽力をいただいております神田工業様にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
今後も多くの方々に、弊社や弊社製品に興味を持っていただけますと幸いです。
併せて、新しい製品開発に取り組むエンジニア、スタッフを募集しております。
ご興味を持っていただいた方はぜひ、ご連絡ください。
お問合せにつきましては、直接弊社までご連絡ください。
▼お問い合わせはこちら
Comentarios